テニスPRESSBACK NUMBER
「あなたが受け取ったメッセージは何ですか?」22歳の女王・大坂なおみは米国でどう評価されているのか
text by
竹田ダニエルDaniel Takeda
photograph byAFLO
posted2020/09/14 20:00
2年ぶり2回目の全米オープン制覇を成し遂げた大坂なおみ選手。
22歳の女王が訴えたことから何を学びとれるのか
女子シングルス世界ランキング3位(9月14日現在)の大坂選手は、世界中の人々に「人種差別」という普遍的な社会問題について問題提起を続ける力を持ち、日本の社会問題にもアメリカの社会問題にも言及できる能力を持っている。そして多面的な人間である彼女を応援しながら、共に学ぶことで、我々も社会の一員として前に進むためのヒントを多く見出すことができるはずだ。
極度の人見知りでシャイだと自身でも発言しているように、ここまで発言力を持つようになるまでの道のりは大坂選手にとって長かった。さらに個人的な葛藤とともに、アスリートに対する「政治には口出しするな」という奇妙なスティグマにも直面し続けなければならない。激動の時代に企業や個人が「社会との関わり方」を再考するにあたって、スポーツ選手の言動をどのようにして受け取るか、そして社会が彼らから何を学びとれるかを考え続ける必要がある。
「日本は、本当に先進的な国。何が許され、何が許されない(言動)なのかを誰もがもっと学ぶ必要があるだけだと思います」
(https://time.com/5851730/naomi-osaka-speaks-out-sports-justice/?playlistVideoId=6164699968001)
「恥ずかしがり屋でいるのはもうやめる。本当に時間の無駄。 多くのアイデアを共有できたのに、色んな人と話せたのに、学べたこともたくさんあったのに!自分で自分にリミッターをかけているだけだった」(https://twitter.com/naomiosaka/status/1257483374458843136?s=20)
勝ち続けなければ黒人の犠牲者たちの名前を伝えられないというプレッシャーを試合へのモチベーションへと変化させ、自分の信じるもののために立ち上がることを恐れなかった大坂選手に、私は最大の敬意を表明したい。