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大坂なおみは「外からのプレッシャーに動じない」。全米前哨戦で“棄権撤回”から決勝進出で見せたメンタルの強さ。
 

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photograph byUSA TODAY SPORTS/REUTERS/AFLO

posted2020/08/29 10:15

大坂なおみは「外からのプレッシャーに動じない」。全米前哨戦で“棄権撤回”から決勝進出で見せたメンタルの強さ。<Number Web> photograph by USA TODAY SPORTS/REUTERS/AFLO

棄権を撤回し、準決勝を戦った大坂なおみ

 女子テニスのウエスタン&サザンOPシングルス準決勝が現地時間28日に行われ、第4シードの大坂なおみは第14シードのエリス・メルテンスに6-2、7-6のストレート勝ちで勝利し、決勝進出を果たした。

 この日の大阪は第1セットの第2ゲームでいきなりブレークすると、第6ゲームも再び相手のサービスゲームを破る。その直後のゲームでブレークバックを許したものの、第8ゲームも再びブレークに成功し、1セット目を取った。第2セットは第2ゲームに鋭いリターンエースを決めるなどブレークしたものの、その直後のゲームを含めて2度ブレークを許す展開となった。それでも大坂はタイブレークで、コースを巧みに突いたサービスエースを見せるなど勝負強さを見せて勝利した。

 大坂は今大会、アメリカのウィスコンシン州で起きた黒人男性に対する白人警官の銃撃事件を受けて、準決勝を“棄権”する意向を示した。その後大会側が人種差別への抗議の姿勢を示して試合を延期したことなどを受けて、大坂は決断を撤回した。

 一連の行動が大きく報じられる中でも、コート内での戦いに集中して勝利をつかんだ大坂。2019年全豪オープンを制した当時、「楽しむことを大事にして、外からのプレッシャーに動じないようにしたい」、「たとえ負けることになっても、後悔のないようにと思っていました。最後のポイントまでファイトしよう」(Number970号より)と、精神面の飛躍を感じさせる言葉が増えていた。2020年、コロナ禍でテニスツアーがほとんどなくなった中でも、成長していることは間違いなさそうだ。

 決勝は日本時間の30日0時に始まる。相手は世界ランク59位のヴィクトリア・アザレンカ。自身にとって初のメジャー制覇となった2018年に続く2度目の全米オープン制覇に向けて、今大会を優勝して勢いに乗れるか。

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