互いにリスペクトする気持ち。

　試合後平松は「決まった瞬間は、凄い歓声だけが耳に残った。勝ったうれしさはその後だった」とお立ち台で興奮気味に話したが、語尾は清水サポーターの大歓声と磐田サポーターの大ブーイングにかき消された。

　ところが、平松のコメントにはまだ続きがあった。

「エスパルスサポーターの応援で勝利することができた。ただ、これだけの素晴らしい雰囲気でプレーできたのは、ジュビロサポーターのおかげです」

　相手をリスペクトする気持ちが根底にあり、ここまで推移してきた静岡ダービー。

　すでに、2020年シーズンの公式戦は対戦がないことが決定しているが、最高のライバル同士が最高レベルで激突する“真の静岡ダービー”が近々に実現し、サッカー王国が完全復活することを多くの地元ファンが待ち焦がれている。その時期が遠くないことを。