熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ワシントンから浦和&Jへのエール。
「忍耐強さは世界一だからこそ……」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2020/04/21 11:50
2019年コパ・アメリカの際のワシントン(右)とボルソナロ大統領。いつかまた日本で再会できる日を心待ちにしたい。
盟友はもちろんゴン、遠藤、憲剛も。
――その他に、優れていると思った選手は?
「浦和のチームメイトだったロブソン(ポンテ)、シンジ(小野伸二)、長谷部(誠)、ケイタ(鈴木啓太)、トゥーリオ(田中マルクス闘莉王)ら、対戦相手では、中山(当時ジュビロ磐田)、遠藤(保仁/ガンバ大阪)、中村(憲剛/川崎フロンタ-レ)らが特に印象に残る」
――当時、長谷部は20代前半でしたが、36歳の今もドイツ(フランクフルト)で奮闘しています。
「彼はとても賢く、よく努力し、常に最高の準備をする。選手としても人間としても、本当に素晴らしい。すべての選手が、彼を見習うべきだろうね」
――最後に日本へ行ったのは?
「2017年7月のケイタ(鈴木啓太)の引退試合のときだ。クラブ関係者、かつてのチームメイト、サポーターらと久しぶりに会えて、とても嬉しかった。
実は今年の東京五輪を家族全員で観戦するつもりで、日本行きの準備していた。五輪が延期になって、とても残念。でも、来年行くつもりだ」
政治の世界とまさかの解任劇。
――政界(市会議員、下院議員、スポーツ長官)で働いて学んだことは?
「ブラジルではフットボールクラブでも政治的な動きをする人が多いんだけど、本物の政治の世界はより一層複雑だった(苦笑)。でも。そのような状況でスポーツ振興に尽くしたことは、自分にとってとても貴重な経験となった」
――今年2月のコパ・ド・ブラジルの試合(カシアス対ボタフォゴ)では、一体、何が起きたのですか?
「カシアスは僕の出身クラブで、試合前にピッチで表彰を受けた。それからカシアスのベンチの脇で試合を見ていたら、カシアスにひどく不利な判定があった。携帯電話でテレビ映像のリプレーを確認して、それを思わずカシアスの関係者に見せてしまった。
僕はブラジルサッカー連盟の役員という立場にあったから、特定のクラブを利する行動は取ってはいけなかった。それに気付いて会長に謝罪したんだけど、メディアからの批判もあって解任された。
あの行動は、思慮が足りなかった。反省している」