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<エールの力2019-2020 vol.9>
太田雄貴「歓声の力を知る若きトップの改革」
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byAFLO
posted2020/04/30 11:30
大きな声援はアスリートを変える。
自身4度目の大舞台、リオでの大会を最後に現役を退いた太田さんはいま、日本フェンシング協会の会長として、この競技の大胆な改革に取り組んでいる。
そのひとつが全日本選手権の“劇場開催”。
従来は体育館で行なっていたが、2018年に決勝戦の全試合を東京グローブ座で開催。チケットが40時間で完売となるなど、大きな話題となった。
「ぼくの現役時代、全日本選手権は体育館のだだっ広いところで、観客席もガラガラでした。決勝はフロアの中央で行なうので、ただでさえ少ないお客さんと離れてしまう。グローブ座で大会を開いた理由はいくつもありますが、ひとつには選手個々に協賛がつくような状況をつくりたいと思いました。そのためには競技の注目度を上げること。それには目を増やす、つまりお客さんを増やすことが必要でした」
LEDビジョンや最新鋭の音響装置を最大限に生かした演出の中、間近で最高峰のパフォーマンスを堪能する。
太田会長が提案した“非日常のフェンシング体験”は、多くのファンを魅了し、幅広い層にインパクトを与えた。
「いつもと違う会場で齟齬が出た部分もありますが、それでも満員になったことはとても良かったと思います。フィギュアスケートがいい例ですが、たくさんの人の目に触れて大きな歓声を浴びることで、アスリートは大きく進化しますから」
歓声の力を知る若きトップのもと、日本のフェンシングは大きく飛躍しようとしているのだ。
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