熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
花見やK-1開催にブラジルで疑念が。
日本の特異さと本田圭佑のツイート。
posted2020/03/30 20:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
REUTERS/AFLO
2月初めにブラジルの古豪ボタフォゴに入団し、3月15日のリオ州選手権の試合でデビューした本田圭佑が、新型コロナウイルスの感染拡大に関する自分の思いや関連情報を自身のツイッターで盛んに発信している。
(3月21日)おい、コロナ。お前なんかに俺らは負けへんぞ。これ以上俺らの邪魔すんな。
(3月23日)日本だけが世界で割と普通に生活している唯一の国という不安な状態。
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(3月24日)【拡散お願いします】必ず読んでほしい。。。(※『西浦・北大教授「助けてほしい」解禁ムードを危惧』の記事を紹介)
(3月26日)スペインが、非常に困難な時期を迎えている。ひどい状況だ。(※英語でマドリードの医師が現地の困難な医療現場の状況を涙ながらに訴える動画を紹介)
(3月29日)コロナウイルスの急速な拡大について凄く分かりやすい記事とシミュレーションなので、まだ「家にいろ」意味が分かってない人は一度でいいので読んでみてください!(ワシントン・ポスト紙の記事を紹介)
このうち、ほとんどのメッセージは大多数の読者の賛同を得た。しかし23日分に関しては「本当に日本が世界で唯一、普通に生活している国なのか?」、「普通に生活なんてしていない。とてもつらい思いをしている」、「外へ出て働かなければ生活できない」などの返信が寄せられた。
確かに「割と普通に生活している唯一の国」ではないかもしれない。しかし同じブラジルに居住する者として、現時点の日本が「例外的な国」であるのは確か。彼の言いたいことはよくわかる。
ブラジルでも当初は対岸の火事だった。
ブラジルは、新型コロナウイルスの発生地とされる中国から地理的に最も遠い国だ。他の南米諸国やアフリカ諸国と並んで、ウイルスの感染が始まったのが世界で最も遅い国の1つだった。
2月25日、Jリーグとルヴァンカップの延期が発表されたが、この時点でブラジルではまだ感染者が1人もいなかった。
最初の感染者が確認されたのは、その翌日。3月に入っても死亡者はいなかった。アジアや欧米などで感染が広がっているのはもちろん報道されていたが、誰もが「対岸の火事」と考えていた。