水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
「無観客」W杯予選を見た水沼貴史が
痛感する、大観衆の中で戦える喜び。
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byTakuya Sugiyama
posted2020/03/23 19:00
ドイツW杯アジア最終予選、北朝鮮vs.日本の試合開始前。無観客の中で勝利した日本は32カ国中最速でのW杯出場権獲得となった。
伝える側としてもやるべき準備を。
準備という意味では、我々伝える側もやるべきことを整理する必要があります。すでに他競技でも無観客試合の中継は行われ、プロ野球のオープン戦では、打球音など臨場感ある音を伝える工夫がなされていました。大相撲では横綱の土俵入りの際、行司が「静粛に」という意味合いなのか、シーッと音を出していることに気づきました。こういう時だからこそ、普段の中継では気づけない発見もできるでしょう。
90分間動き続けるサッカーの場合は難しいですが、例えばセットプレー時の指示の声などはいつもより拾えるかもしれません。選手のプレー選択の意図を汲み取ることを意識してお伝えできれば、また違った楽しみを提供できるのではと思います。
ここまで「無観客試合」を想定してお話ししましたが、やはりそうならないことがベストです。サポーターあってのJリーグですから、1日でも早く日常が戻ってほしいなと思いますね。Jリーグは、村井チェアマン始め、たくさんの方々が再開へ向けて奔走しています。選手も我々も今できることを考え、また多くのサッカーファンを楽しませる環境を作っていきたいと思います。
(構成/谷川良介)