「やっぱり試合に出ないと意味がない」

　試合で先発から外された時、板倉の中では“反骨心”が大きくなるのだという。

　久しぶりに90分間プレーしたフェンロ戦の後で、次のように語った。

「ここ何試合か急に外されて、もちろん自分自身納得はいってなかったです。でもその中でも、とにかく練習は一生懸命やる必要がある。本当に自分のためにと思って、練習もやっていました。

　もう、毎回外れたらそうですね……何くそという気持ちがあります。やっぱり試合に出ないと意味がないと思ってこっちに来ている。そういった意味での多少の焦りも、いい意味で自分の力に変えながらできていたと思います」

「やっぱり日本人だからって……」

　前半戦は開幕以来16試合連続でフル出場を続けながら、FCユトレヒト戦を最後に唐突に先発から外されたが、その時はバイス監督と話し合いがあったという。

「急にポンって外されたので、最初は意味が全然分からなかったです。監督とも色々と話しましたけど、僕からすると、全部が全部納得できるような内容ではなかったですね。

　こっちにいる以上、主張していかないといけないと思うので、自分の意見はもちろんしっかり伝えるようにしました。やっぱり日本人だからって簡単に思われるのもだめだと思いますし。ただ、まずはプレーで示して、監督から本当に使いたいと思ってもらえる選手にならないといけない。そのことが一番大事だと思っていたので、とにかく練習から集中してやっていました」

　そして「何くそという気持ち」を持ち続け、セカンドチームで試合に出て調整しながら、8試合ぶりにフェンロ戦で先発に返り咲いたのである。

　試合後の板倉の表情は充実していた。CBとしてさらに進化していきたい、その意欲にも溢れていた。

「もっとパワーもスピードも付けていかないといけないと思います。1対1や空中戦といった課題や、自分が良くなるために必要なことは、僕自身すごく見えている。もっともっと良くなりたいと思うし、良くなれると思うので、そこは日々やっていくしかないと思いますね」

　そして再び、エールディビジの試合に出場し続ける日々が始まるかに思われた、その矢先――。雨が降りしきるウィレムII戦で、またも先発から外れたのだ。

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