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スポーツ界を襲ったコロナウイルス。
日韓の政府、連盟の対応を徹底比較!
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byEiji Yoshizaki
posted2020/02/28 20:30
まるで練習風景のようにしか見えない――韓国プロバスケットボールのリーグ戦の無観客試合。
日本でもこれから続々と「無観客試合」が。
韓国のバスケットやバレーボールのリーグで、チームレベルでのこういう決断が可能なのは、全チームに母体企業があり、無観客試合実施による収入減の心配が少ない傾向にある点が挙げられる。
韓国での各スポーツ種目の新型肺炎対策の決定事項は次のとおりだ。
2月21日 女子バスケットがレギュラーシーズンの無観客試合の実施を発表。韓国プロスポーツでは初。サッカーKリーグが開幕節2試合の延期を発表。
23日 男女のプロバレーボールリーグが同じく無観客試合を発表。
24日 Kリーグが2月29日、1日に開催予定だった開幕節全節の延期を発表。
25日 男子バスケットが無観客試合の実施を発表。
27日 プロ野球がオープン戦の中止を発表。
今後、日本のいずれかのトップスポーツでも無観客試合開催の決定が下されることはあるのではないか。
選手にとっても現場で観てくれる人がいない状況は当然のごとく望ましくはない。とはいえ、「状況にかかわらず試合をやりたい」といった気持ちの部分が、少しでも晴れることがあるとすれば、それは小さな救いになりうる――そんなことも思った。
日韓の「決定」に至るまでの道筋の違い。
いっぽうで韓国の状況を見るにつけ、感じるところがある。
決定の過程の日本との違いだ。
特に政府発表とスポーツ団体の決定の関連性。言い換えるならば「スポーツと政治」の問題。
もちろん今回のコロナの問題では日韓両国の対応には共通点も相違点もある。スポーツの話を離れると、両国政府の「早期の中国からの入国規制はせず」という点では同一だった。当然ながら、両国とも中国との距離、接点が違う。さらに国内でのスポーツ事情も異なる。
そういったなかで、ここで紹介したいのが、双方のプロサッカーでの延期発表時の文書の違いだ。