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福永祐一と藤原師が惚れ込む才能。
ミヤマザクラ、1600mの壁に挑む。
posted2020/02/21 17:30
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
2月15日、東京競馬場で行われたクイーンC(GIII、3歳牝馬、芝1600メートル)を制したのはミヤマザクラ(栗東・藤原英昭厩舎)だった。
これで同馬はデビュー以来の成績を4戦2勝とした。昨夏の新馬戦こそ1番人気を裏切る4着に敗れたものの、中1週で臨んだ未勝利戦を楽な手応えのまま2着に5馬身の差をつけて快勝。札幌競馬場芝2000メートルでの勝ち時計2分2秒1は同コースの2歳レコードというおまけつきだった。
3戦目の京都2歳S(GIII)は2着に敗れてしまったが、その時の勝ち馬はマイラプソディ。これがデビュー以来3戦3勝となった馬で、続く共同通信杯(GIII)では4着に敗れてしまうものの、単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持された素質馬だったのだから悲観する必要はないだろう。
そして、それを証明する形になったのが、今回のクイーンCでの優勝劇だったわけだ。
血統が良くて、調教の動きも良い。
管理する藤原英昭調教師は入厩時からこの馬に懸ける期待が大きかったと語る。
「まずは血統が良い。そして、実際に調教で動かせばその動きも良い。早い時期から相当期待の持てる馬でした」
しかし、同時に成長の余地も残していたと続ける。
「心身ともにまだまだ良くなると思わせる馬でした。それでも早い時期からそれなりに走れたのは、素質が高かったからでしょう」
年が明けてから一段と成長したと言う。
「つくべきところに筋肉がついて、調教の動きが以前よりさらに良くなりました。そしてそれ以上に精神面での成長が著しい。もともと扱いやすい馬ではあったけど、さらに大人になった感じです」
能力の高さに関しては今回、優勝に導いた福永祐一騎手も異口同音に語った。
「今回は馬に少し負担をかけてしまう競馬になりました。それでも勝てたのはこの馬の能力が高いからです」