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吸引力の変わらないただ1人の選手。
ファビーニョはリバプールに必須。
posted2020/02/18 20:00
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
2019年12月19日、南野拓実が世界屈指の強豪クラブであるリバプールに加入することが決定した日、クラブの公式ツイッターに1本の動画が投稿された。
クラブハウスで加入直後の南野が大柄なブラジル代表MFと握手をしている動画だ。
ファビオ・エンリケ・タバレス。「ファビーニョ」の愛称で親しまれる選手である。その実力は『スカイスポーツ』で同胞のレジェンド、カカが「ベストミッドフィルダーのひとり」と絶賛するなど、紛れもなくワールドクラス。
チームの主軸を担う選手との交流に、日本人FWの一挙手一投足を追っていたファンはメガクラブへの栄転を実感したのではなかろうか。
今季、リバプールの躍進はとどまることを知らない。ユルゲン・クロップ体制5シーズン目を迎え、代名詞である“ゲーゲンプレス”とショートカウンターはもちろん、ボールポゼッションにも磨きがかかり、勝利に向けての引き出しが非常に多い印象だ。
だからこそ実力が拮抗した強豪には堅実に勝ち、中堅クラブ相手にも取りこぼさない。そうしてプレミアリーグでは25勝1分(第26節終了時点)という驚異的な結果を残しているわけだ。
故障者続出の中でファビーニョも。
ただ一方で、その激しいスタイルに異常な過密日程も相まって、故障者が続出していることも事実だ。故障の多いケイタに加え、シーズン序盤にはシャキリとマティプ、クラブワールドカップではオクスレイド=チェンバレン、2020年に入ってからはミルナーとマネがそれぞれ負傷離脱している。
その中でファビーニョも昨年11月末に左足首を負傷している。奇しくも筆者は当該試合のCLナポリ戦をアンフィールドで観戦しており、熱狂的ファンが詰めかけるKOPスタンドのサポーターが頭を抱えていたのをよく覚えている。
冒頭に述べた南野との握手のシーンは、負傷離脱でクラブワールドカップに帯同されておらず、クラブハウスでコンディション調整をしていたために生まれたものだ。