オリンピックへの道BACK NUMBER
強さの要因は「厚底」だけではない。
哲学者・キプチョゲのマル秘ノート。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKYODO
posted2020/02/09 20:00
2019年10月12日の特別レースで非公認ながら、男子史上初の「2時間切り」を達成したエリウド・キプチョゲ。
「哲学者」と形容されることも。
それらのエピソードだけでも、真摯であり自己管理の徹底していることがうかがえる。簡単にぶれたりする人ではないことも伝わってくる。
そこから繰り出される言葉から、「哲学者」と形容されることもあった。
35歳の今日まで、長年にわたりトップランナーとして君臨してきたこと、レースで失敗がないこと、それらもまた、キプチョゲの取り組みあってこそにほかならない。
非公認記録ながら2時間を切ることができたのは、厚底シューズの力はたしかにあるだろう。
それでも、キプチョゲであったからこそ成し遂げることができたのもまた、事実だ。
道具の進化が選手のパフォーマンスを向上させ、記録を伸ばす。
それでも、主役は選手にほかならない。
キプチョゲの足跡や姿勢からしても、そう思わずにはいられない。