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松田宣浩のグアム自主トレに密着!
「走る量は年々、増やしてますね」
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byDaiki Tanaka
posted2020/01/20 11:50
同じくグアムで自主トレを行った三浦知良(横浜FC)らと写真に収まったチーム松田。
瞬発力と持久力に、精神力。
「1月の前半はとにかく走ります。グアムは身体に不安なく、ケガの恐れなく走れる場所。だから、ここでとことん走って、1年を戦い抜ける『下半身を中心とした肉体』を作り上げる。瞬発力や持久力だけではありません。タフにプレーできる精神力も、養いにきているんです」
1月上旬でもグアムは暑い、とにかく暑い。日によっては刺すような日差しの日もある。その環境下で、坂道5kmを走り続ける地獄のトレーニングを期間中、2度も行う。
18歳の水谷、23歳の山田という若い選手も悶絶の表情でなんとか頂上のゴールに辿り着く。31歳の宮崎、28歳の嶺井も歯を食いしばり、最後は倒れ込みそうになりながら松田についていった。
ヨガを取り入れた柔軟体操に始まり、ランニング、スピード走を数種類、坂道ダッシュ、長距離走、スクワット、四股踏み……それらのメニューは現代にあって、非常に原始的なトレーニングにも感じる。ボールを触る練習はごくわずかだ。
原点を思い出すための「チーム松田」
「技術を磨くのは1月の後半でいい。もっと言うと2月のキャンプに入ってからでもいい。プロの世界は、気が付けば目の前の技術に走って、原点を忘れる。特にシーズンが始まると結果を求めて、より技術に走ってしまう。だから1月は、とにかく身体をいじめて心身ともに体力をつけるんです。いつしか『鍛える』ということを忘れがちになる世界だから、僕ももっと鍛えないといけない。『走る』が原点ですね。まあ、亜細亜大の時のトレーニングが身に染みているのもありますかね(笑)」
聞けば、松田は18歳で経験した亜細亜大の過酷なトレーニングを、今もグアム自主トレに取り入れ、もう20年近く続けているというのだ。
2017年に首位打者を獲得し、ベイスターズに無くてはならない存在になった宮崎も、昨季、ホークスでレギュラーを獲得した牧原も、忘れがちになる原点を思い出すために、「チーム松田」に参加していた。