昨年は周東佑京が参加していた。

「田中さん、見ておいてください。たぶん、1年の中でこの自主トレ期間が一番『厳しく、激しく、辛い』はずです。これを乗り越えたら、若い子はみんな良い選手になりますよ」

　確かに去年の今頃、ここにまだ無名だった周東佑京がいた。周東が這いつくばりながら、松田のトレーニングに挑んでいたのを覚えている。

「走る選手に悪い選手はいない」と、常套句のようにプロの世界では言われてきたが、確かに近年引退した上原浩治も高橋由伸も、サッカー界ではいまだ現役の遠藤保仁も、同じグアムで自主トレを行っているレジェンド三浦知良も、常に走り込みを行っていた。

　技術的に優れている選手は、「技術を身につけるための体力と精神力を鍛えることに長けている」ということでもあるのだ。チーム松田の面々の今季が、非常に楽しみになった。