オリンピックへの道BACK NUMBER
ドーピング問題でロシア出場除外。
東京五輪のメダル争いはどうなる?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2019/12/15 19:00
臨時常任理事会後に開かれた記者会見。今後4年間、国際大会でロシア国旗の使用は認められなくなった。
団体競技への影響は大きい。
こうした直接的な要因や背景がある以上、そのまま放置するわけにもいかないし、処分されても仕方ない面があるのは否めない。
また、ロシアの選手に不信感を向ける選手も、いないわけではない。例えばスキー競技などで、「これだけ短い期間でパフォーマンスが上がっているのはおかしいと思う」と語る選手はいた。疑念を抱く、抱かれる中での試合というのも、不幸に違いない。
いずれにせよ、まずは処分が下された。
その影響が大きいものとして、まずは団体競技があげられるだろう。
平昌五輪のアイスホッケーのように、潔白が証明された選手でチームを編成することは可能ではある。しかし、それがかなわなかった場合、大きな影響があるのは明らかだ。
来年の東京五輪で言えば、世界最強の位置にいるアーティスティックスイミング(旧シンクロナイズドスイミング)、優勝争いをする力のある体操団体などだ。それらの種目でロシアが個人資格を取得した選手たちでどうチームを構成できるかは、大会の行方にもかかわってくる。
また、世界選手権など主要国際大会でも、大会のたびに取り沙汰されないとは限らない。
ロシアの選手が出場できるか否か、ドーピング問題の影響が各大会でその影を投げかけることになる。そうした話題が注目を集める状況が望ましいものではないにしても。