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NBAで今最も話題のカワイ・レナード。
比較されている八村塁の将来性は?
posted2019/12/16 08:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
3日目の最終回では、現在NBAで人気・実力ともに最も注目を浴びているロサンゼルス・クリッパーズのエース、カワイ・レナードと八村塁の比較論です。八村のコメント、複数の関係者の意見を、NBA取材歴30年以上のスポーツジャーナリスト宮地陽子氏が検証しました。
八村塁からカワイ・レナードの名前を最初に聞いたのは、ゴンザガ大1年の春、NCAAファイナル4に進出した時だった。
試合前日の取材のためにロッカールームに行くと、八村は大会のスポンサーの『NBA2K』でビデオゲームをしていた。その時に選んでいた選手がレナードだった。
その後のインタビューで、好きな選手を聞くと、まっさきにレナードの名前がでてきた。
「NBA選手で言ったらカワイ・レナードとか好きです」と八村。
「彼は身体がデカくて手も大きいし、他のところも結構似てるんじゃないかなと思って。プレースタイルとかも。みんなからもよくカワイ・レナードって言われているので」
身体のタイプなどが似ているということで、ゴンザガのコーチたちからもお手本として真似をするようにと勧められ、八村自身も、目標としてきた選手だったのだ。
「彼に対して自分がどれだけできるか……」
それから3年もたたないうちに、八村はレナードと同じコートに立っていた。
12月1日、開幕から18試合目のクリッパーズ戦だ。
試合開始直後からマッチアップして身体をぶつけ合った。ディフェンスではレナードの動きについていこうと必死に追いかけ、オフェンスでもディフェンス力に秀でたレナード相手に攻めた。
もちろん、すべてが成功したわけではない。手を伸ばしてシュートチェックしてもその上からジャンプシュートを決められたり、ドライブインについていけない場面もあった。それでも、何年もビデオで見て研究してきた選手と直接対戦するという経験は貴重だった。
「(レナードとの対戦は)とてもいい経験になりました。彼はフィルムでたくさん見てきた選手ですけれど、彼に対して自分がどれだけできるか見れたのはよかった。言葉では言い表せない」と八村。