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ジャパンCを制したマーフィー騎手。
でも「日本人より外国人」は短絡的。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/11/29 19:00
スワーヴリチャードは昨年の大阪杯(GI)以来、1年半ぶりの勝利となった。
JCの2着は津村、3着以下は……。
そんな中で行われたジャパンカップを制したのはスワーヴリチャード(牡5歳、栗東・庄野靖志厩舎)で、手綱を取ったのはマーフィー騎手だった。
この結果に、レース後のスタンドからは「やっぱり外国人騎手だった!」という声も聞こえてきた。実際、一瞬の隙を突いてインへ飛び込み差し切った手綱捌きは立派の一語。この勝利に彼の騎乗ぶりが大きく影響していたのは疑いようのない事実だ。
しかし、同時に日本人騎手達の頑張りも目についた。
2着には5番人気のカレンブーケドールが粘ったが同馬の手綱を取ったのは津村明秀騎手。まだGIを勝っていないのが不思議なほどジョッキー間での評価が高い騎手で、同騎手と同馬のコンビではこれでオークス、秋華賞に続き3度目のGI2着好走となった。
ジャパンカップでは、逃げるダイワキャグニーの外へスワーヴリチャードより一歩早く持ち出して、上手に進路を塞いでみせた。ただマーフィー騎手が更に上手くインへ誘ったために敗れたが、称賛されてしかるべき手綱捌きだった。
3着のワグネリアンに騎乗したのは川田将雅騎手。今秋、ルメール騎手に抜かれるまでずっとリーディング1位を確保。現在も2位に頑張る実力派だ。
そして4着にはご存知、武豊騎手操るマカヒキ。同馬は宝塚記念11着、天皇賞(秋)10着という事で12番人気まで評価を下げていたが、天才騎手の一発を狙ったかと思える騎乗ぶりで豪快に追い上げ4着まで食い込んで見せた。
また、5~7着も岩田康誠騎手(ユーキャンスマイル)、石橋脩騎手(ダイワキャグニー)、横山典弘騎手(エタリオウ)と日本人騎手が続いた。
諸外国と日本人騎手の環境の違い。
ヨーロッパら諸外国と比べ、日本の場合、どうしても幼い頃から馬と親しめる環境は少ない。そのためジョッキーの中にも「競馬学校に入学してから初めて馬に跨った」という人もいる。多くのジョッキー達が幼少時から騎乗経験のある外国と比べ、スタートラインで差をつけられている事実がある事は否めない。
また、短期免許で来日出来る外国人ジョッキーはいずれも自国でリーディングだったりそれに準ずる成績を残していたりといった人ばかり。日本に来れば有力馬に乗れる確率も高く、当然好成績を残す傾向にある。