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鈴木誠也の打者、人間として凄み。
成長の陰に「野球の神様」のお告げ。 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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photograph byKyodo News

posted2019/10/28 19:00

鈴木誠也の打者、人間として凄み。成長の陰に「野球の神様」のお告げ。<Number Web> photograph by Kyodo News

カープのレジェンド前田智徳から背番号「1」を引き継いだ鈴木。チームの中心選手へと育った。

大ケガのときも野球の神様のお告げが。

 野球の神様からのお告げを感じたことは、過去にもある。

 2017年8月22日、横浜スタジアム。DeNA戦の外野守備で右足首を骨折したときだ。その後のシーズンを棒に振り、野球人生にも影響しかねない大ケガだったが、鈴木は“必然のもの”と受け入れた。

「あのケガがあったから変われたんだと思う。あのまま行ったら選手としてだけでなく、人としても終わってたんじゃないかって……。自分では変わることができないから、野球の神様がケガして見つめ直す時間をくれた」

 そして鈴木は変わった。患部への不安を抱えながらも結果を残し、チームを思う気持ちを強くした。18年は広島の4番へと成長し、チームを勝利に導き、3連覇に大きく貢献した。

目の前の壁を試練とすら捉えていない。

 今年も、あのときと同じように、野球の神様に出会った。そんな気がした。

「一昨年はケガをして神様に変わるチャンスをもらった。今回は本。これで変われなかったらアキレス腱でも切れちゃうんじゃないかと思う」

 人生の中で、人は何度も試練や難題に直面することがある。立ち向かっていく者、逃げる者、時間をかけてでも乗り越えようとする者……、さまざまだろう。

 鈴木は目の前に立ちはだかる壁を試練や難題とすら捉えていない。鈴木が感じた「チャンス(chance)」には、「機会」とともに「幸運」という意味もある。直面した問題をどう捉えるかによって、未来は変わっていく。いや、変えられるのかもしれない。
 

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鈴木誠也
広島東洋カープ

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