猛牛のささやきBACK NUMBER
父が心配した守備で見せた「確実性」。
ドラ1太田椋の強さとしなやかさ。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2019/09/19 11:40
天理高校からドラフト1位でオリックスに入団。9月14日の楽天戦で8番・遊撃手でスタメン出場し、一軍デビューを果たした。
緻密な守備、打撃にも期待。
太田の守備位置は深めだ。相手打者によって変わるが、アンツーカの外の、外野の芝の部分で構えていることが多い。それは守備範囲の広さと肩への自信の表れでもある。
「相手の打者の足の速さなどによりますけど、基本的に右の強打者の場合は、後ろめから行っています」
対楽天で言えば、浅村栄斗やゼラス・ウィーラー、ジャバリ・ブラッシュといった右の強打者は、引っ張る傾向があり、三遊間への打球が多いため、深めに守った。一方、俊足の打者の場合は少し前に出て構え、できるだけ速く打球を処理する。そうした一軍の打者に対する守備戦略にも余裕を持って対応していた。
太田に安打が出れば、21世紀生まれの選手の初安打ということになるのだが、12打席(9月18日現在)に立ってまだ安打は出ていない。
それでも、打席での落ち着きや、ダイナミックかつ緻密な守備は、今後への大きな期待を抱かせてくれる。