「レギュラーを獲るまでが本当に大変」

　細川は憧れの存在である筒香に言われた次の言葉を胸に日々努力を重ねている。

「レギュラーを獲るまでが本当に大変だし、自分としてもそれが一番難しいことだった。そこを目指して、諦めることなくがんばれ。そしてレギュラーになっても裏方さんやトレーナーさんのありがたさをしっかり身に染みこませて野球をやるように」

　筒香が開花したのは5年目だった。同じ尺度で計ることはできないが、抜群の飛距離とパンチ力を持つ細川の台頭は、誰もが願っていることである。

筒香がDeNAから去った後は……。

　戦術的な要素が高いことを前提とし、ラミレス監督に細川らを筒香の後ろで打たせたのは背中を見せたかったのかと尋ねると「将来を担うスラッガーたち。多少なりともそういうメッセージはあった」と語っている。

　筒香といえばメジャー挑戦を宣言し、その去就が注目されている。早ければ今オフにポスティングという話もある。早晩、筒香という大黒柱がDeNAから去ってしまう可能性は高いだろう。だからこそ若い和製大砲の登場が望まれる。その点について細川に尋ねると、力強く宣言した。

「もし筒香さんがいなくなったら、自分が行かなければいけないと思っています。あとは自分のがんばり次第。筒香さんのように頼れる4番になれるよう努力していきたい」

　特等席から見たこれぞ4番という姿――細川の背番号は『52』だが、いつしかその数字はひっくり返り『25』になる日が来るかもしれない。