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膝の手術発表直前に会心の本塁打。
大谷翔平は「研究者」である。
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byGetty Images
posted2019/09/14 20:00
9月12日(日本時間)、インディアンス戦に3番DHで出場した大谷は、弾丸ライナーでライトスタンドに本塁打を放った。
研究者であり、時間の使い方の達人。
NPB時代の5年間を取材して感じたのはタイムマネージメント能力の高さだった。
研究者であり、時間の使い方の達人。
どこが良くてどこが悪いのか原因を知っておけば、その時の対応が変わり、来季に活きると吐露した大谷翔平。
1球1球、またはワンスイング、ワンスイングのデータフォルダを作り、そこをクリックすれば対処法が出てくる……大谷翔平の持つ野球研究フォルダは日々増えているようだ。
膝の手術を発表する前日。
今思えば、試合後に来季のことを口にしたのは今シーズンの自身最終戦と決めたからだったのかもしれない。自らの時間の使い方を熟知する彼にとって、復活への術はある程度は頭にあるのかも知れないとすら感じる。
風は涼しくも、まだ夏の日差しが射す9月半ばのアナハイム。
全治2カ月から3カ月と発表された悲しきニュースを必ずプラスに変えてくれる手応えを得た大リーグ2年目だったに違いない。もっと見ていたかった……でも来季が楽しみになる大谷翔平の2019年、最終戦だった。