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選手「再生」の名コーチが語る、
本田真凜と羽生結弦の未来。
posted2019/09/08 20:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Akiko Tamura
ネイサン・チェンのコーチとして知られているラファエル・アルトゥニアンが、8月30日、レイクプラシッドジュニアGP大会にて、筆者の独占取材に応じた。
アルトゥニアンはジョージア出身、現在カリフォルニアを拠点としている。過去にはミシェル・クワン、ジェフリー・バトル、浅田真央らを指導し、現在ネイサン・チェンの他に本田真凜、マライア・ベルらトップ選手を指導する。スランプに陥った選手を再生させる手腕に定評があり、アシュリー・ワグナー、アダム・リッポンなどのベテラン勢も引退前にアルトゥニアンの元で選手生命を吹き返した。そして今シーズンからカナダ出身の2018年ジュニアGPファイナルチャンピオン、スティーヴン・ゴゴレフらが師事している。
ゴゴレフは3種類の4回転を跳ぶ。
──スティーヴン・ゴゴレフはいつから教えているのですか?
アルトゥニアン「うちに来たいと話があったのは4月でした。私はできるだけ早くカリフォルニアに移ってくるようにと言ったのですが、学校がまだあったため実際に一緒にトレーニングを始めたのは6月です」
──すごく将来が期待されている選手ですが。
「ええ、実際のところペースをスローダウンさせているところです。昨年からまた身長が伸びて、それに筋肉の発達が追い付いていないので、怪我をさせないように気を付けています。それでも4回転は3種類跳んでいます。トウループ、サルコウ、ルッツです。今季フリーでいくつ入れるかはその日の体調によりますね。あせる必要は何もないので」
──お話して、大変に内気なように見えましたが。
「それは彼の良いところだと思います。(2008年世界チャンピオンの)ジェフリー・バトルを思い出しますね。あまり外に向けて自己アピールをしない分、集中力がある。今回はフリーの最初のジャンプでエッジが引っかかったようでした。出だしの調子を崩してしまったけれど、2位という結果は悪くなかったです」