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ウッズのお誘いメールをスルー!?
全英優勝候補筆頭、ケプカの生き方。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2019/07/18 13:40
ケプカはケプカ。そのマイペースぶりで、今回の全英オープンでも主役となれるか。
自分のプロゴルファー道を信じて。
ケプカは本当にウッズの誘いを無視しようと思って無視したのかと言えば、真相はケプカの胸の中だけにある。
「僕の携帯には知らない人々からもいろんなメールや電話が入ってくるので、電話番号を頻繁に変えている。ちょうど、そういうタイミングで(タイガーからのメールが)紛れてしまったのかもしれない」
そんなケプカの返答に納得する人、しない人、さまざまであろう。
だが、仮にケプカがウッズの誘いを意図的に拒否したとしても、それが「悪」かと言えば、そんなことはない。大事なメジャー大会に臨むとき、自分が持つ優位性を独占しよう、最大限に活かそうとすることは、プロ意識の高さの表れである。
そう、ケプカはいつも自分が信じる「プロゴルファー道」を突き進む。そういう彼の姿勢は、往々にして他選手やメディア、周囲の人々から「鼻につく」と思われがちだ。そして、その現象は、わずか3年足らずの間に次々にメジャー4勝を挙げた彼の強さへの嫉妬と無関係ではないはずだ。
全米開幕前の「ノー・プロブレム」。
しかし、周囲から何を言われようとも、ひるむことなく、我が道を突き進むケプカゆえ、しばしば火に油を注いでしまう。
「メジャーに強いですね」と言われると、ケプカは「当然さ」と大きく頷きながら「(レギュラー大会の成績は)気にしていない。どうでもいい」と発言し、大いに顰蹙を買った。
今年の全米オープン開幕前には、選手たちの間でUSGA(全米ゴルフ協会)のコース設定に対する批判の嵐が巻き起こったが、ケプカは「フェアウエイとグリーンをちゃんと捉えるゴルフをしていれば(どんなコース設定でも)ノー・プロブレム。批判している選手は、それができていないだけのこと」と言い放ち、さらに顰蹙を買った。
そういうケプカだからこそ、ウッズのお誘いに答えていないことがわかったとき、米メディアは「やっぱり、ケプカはケプカだ」と書いたのだろう。