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ウッズのお誘いメールをスルー!?
全英優勝候補筆頭、ケプカの生き方。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2019/07/18 13:40
ケプカはケプカ。そのマイペースぶりで、今回の全英オープンでも主役となれるか。
心技体すべてで高い、プロ意識。
何をもって「プロ意識が高い」と言うべきなのか。「プロ意識」には、これといった定義も基準も存在しないのだが、少なくともケプカは、ゴルフに求められる心技体のすべてを向上させるために、考えられるすべてのことを、1つ1つ着実に、積極的に、行っている。
「心」のコンディションを整えるため、メンタル・トレーニングは欠かさない。「技」を磨き、チェックアップとアドバイスをタイムリーに得るために、クロード・ハーモン3世をはじめとするスイングコーチやショートゲーム専門コーチを付けて猛練習に励んでいる。
そして「肉体」を維持・増強するためにトレーナーの指示のもと、フィットネスや食事法に精を出し、ビッグ大会に挑む際は毎回同じシェフを現地へ同行させ、自分に最適の栄養価とバランスをキープしている。
「太って醜いシェイプにならないように」と気を配っているところは、ファンの視線を意識している証であり、これぞまさしく「プロ意識」と言えるだろう。
相棒キャディの選び方も面白い。
相棒キャディの選び方にも、ケプカのプロ意識の高さが反映されている。かつて欧州ツアーから米ツアーへ主戦場を移そうと考えたケプカは、自分がのめり込みやすい性格であるがゆえに「プレー中に僕の緊張をほぐし、リラックスさせてくれる最高のキャディがほしい」と願い、時間をかけてキャディ探しをしていた。
あるとき、スイングコーチのハーモンから「それならリッキー・エリオットが最適だ」と勧められ、ようやく決意。2013年の全米プロからケプカとエリオットの二人三脚が始まった。
以来、山あり谷ありだったが、2017年の全米オープンを皮切りに瞬く間にメジャー4勝を挙げ、今週は全英オープン初制覇に挑もうとしている。
その大切な挑戦において、エリオットが身に付けているロイヤル・ポートラッシュの貴重なコース知識は、ケプカにとっては何よりの武器であり、財産である。それを最大限に活かそうとすることは、これから戦いに挑む戦士として当然であろう。