5年前につくられた帽子。

　マラカナンからの帰り、ちょっと面白い光景を見た。

　コパでは試合後、スタジアム近隣の貧しい人々がビールや水やお菓子などを家路につくお客さんに売る光景が見られたが、決勝の帰りにはカナリア色の帽子も売られていた。

　そこにはポルトガル語で「6回目」を意味する、＜HEXA＞という文字が。それは紛れもなく、2014年ワールドカップ用に作られた商品。準決勝でドイツに1－7と惨敗し、お蔵入りになったものをここぞとばかりにひっぱり出してきたわけだ。

　5年がかりで、少しでも損失を取り戻そうとする。さすがはブラジル人、どんなときでも抜け目がない。