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ペップも唯一無二の存在と称える、
シルバのマンC最終年にCL制覇を。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2019/07/07 11:30
中盤と前線をリンクさせるトップ下として輝きを放ったダビド・シルバ。ペップ体制のもとでシティでの集大成のシーズンに臨む。
ペップも「唯一無二の存在」と称賛。
コーチのミケル・アルテタも絶賛した。
「コンディションが悪くても悪いなりに調整できるし、メディアやサポーターにも真摯に対応する。まさしくプロの鑑だ」
負傷に悩むコンパニに代わり、ゲームキャプテンを務めるようになったのは、シルバの人間性が高く評価されたからだ。
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連覇を逸した2012-13シーズン以降、シティには数多くの新戦力が加わり、監督もロベルト・マンチーニからマヌエル・ペジェグリーニと代わったが、シルバは主力として、リーダーとして、その地位が揺らぐことはなかった。
2016-17シーズンからチームを率いるジョゼップ・グアルディオラも、「唯一無二の存在。必要不可欠」と全幅の信頼を寄せている。
2014-15シーズンはチェルシー、2015-16シーズンはレスター、2016-17シーズンはまたしてもチェルシーの後塵を拝したシティだが、翌シーズンから連覇して、その強さを改めて見せつけている。
もはや、ファーガソンが評した「ちっちゃなクラブ」でもなく、彼が精いっぱい強がって言った「うるさい隣人」でもない。
狭いスペースでのターンは世界一。
直近2シーズンの合計勝点は198、合計得点は201。ありえない数字だ。シルバも家庭の事情や肉体的な衰え、さらにはバレンシア所属時代に負傷した右足首の痛みが慢性的になってきたとはいえ、相変わらず中心にデンと構えている。
「私の後継者」とシルバが強く推すフィル・フォデンも、グアルディオラ監督の最有力ターゲットとされるイスコ(レアル・マドリー)も、スペインが産んだ稀代のアーティストに比べるとまだまだだ。とくに、ファーストコントロールのレベルが違う。狭いスペースでもからだを巧みに使い、難なくターンする技術は世界一だ。
誰が戦いを挑んできたとしても、2019-20シーズン、シティの中盤インサイドにはまだシルバの名前がある。