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ペップも唯一無二の存在と称える、
シルバのマンC最終年にCL制覇を。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2019/07/07 11:30
中盤と前線をリンクさせるトップ下として輝きを放ったダビド・シルバ。ペップ体制のもとでシティでの集大成のシーズンに臨む。
プレミア初優勝はいまも語り草。
続く2011-12シーズン、シティはついにプレミアリーグのテッペンに立った。ユナイテッドと同勝点で迎えた最終節のドラマは、いまも語り草だ。
後半の追加タイムまで1-2とリードされていながら、エディン・ジェコとセルヒオ・アグエロのゴールでQPRに逆転。得失点差でユナイテッドを振り切ったのである。
このシーズンも、シルバは凄かった。組み立てからフィニッシュまですべてアレンジ。6ゴール17アシストはシティが挙げた93ゴールの24.7%に及び、攻撃の起点になったり、スペースを創ったり、数字に表れない部分の貢献度も非常に大きかった。
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プロ選手協会とフットボール記者協会はアーセナルのロビン・ファンペルシを、リーグはコンパニをシーズンMVPに選んでいるが、シルバが彼らに劣っていたわけでは決してない。
44年ぶりのリーグ優勝に貢献した後も、シルバはいつだって輝いていた。
2012-13シーズンはマリオ・バロテッリの悪行とカルロス・テベスの造反でシティは連覇に至らなかったものの、シルバだけは別格だった。
シルバはいい手本であり続けた。
人間だれしも不平・不満はある。しかし、その感情を押し殺して仕事に専念するのが大人であり、プロフェッショナルだ。シルバは自分をコントロールできる。なぜバロテッリとテベスは、身近にいる選手を手本にしなかったのだろうか。
そう、シルバはいい手本でもある。シティの明日を担うオレクサンドル・ジンチェンコも証言した。
「トレーニング、試合に臨む準備、メディアやサポーターに対する接し方など、シルバからできるだけ多くを吸収したい」