ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
全米OPは松山英樹を除き予選落ち。
国内選手に足りない海外での経験。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byGetty Images
posted2019/06/26 07:00
全米オープンに日本ツアー賞金王として臨んだ今平周吾。2日間、8オーバーで予選落ちを喫した。
堀川、今平にあった“5打”のギャップ。
堀川が開幕前日に頭に描いた具体的な数字はどうだったか。
「スコア的にはパープレーで回ったら優勝できるのかなというような……。予選カットラインも7オーバーくらいじゃないかなというイメージがあります」
その予想は苦々しくも、現実とはかけ離れたものになった。実際の優勝スコアは通算13アンダー。そして2日目終了時点、36ホールの予選カットラインは2オーバーで、予想とは“5ストローク”のギャップがあったことになる。
堀川は6オーバーで予選落ちした。第一に痛感したのはパワーの差。
「今まではPGAツアー(の中継)を見ても、『気候の条件で、飛距離が出ることもあるんだろう…』なんて考えていたんですけど、実際に一緒に回ってきてみたら、40ヤード、50ヤードと置いていかれる。海外選手はスケールの大きさが違う」と実感した。
2日間で8オーバーだった今平はメジャー6試合目でまたも決勝ラウンドに進むことができなかった。同学年の堀川の“日本ツアーだったら”カットラインは「7オーバー」という意見に「そんなもんじゃないですかね……」と同意した。
「行けそうな気もするんですけど、普通にやらせてくれない。こっちでは絶対に何回かは“事件”が起こる、みたいな感じがある」
昨年の日本ツアーの賞金王でさえ、なかなか壁を越えられない。これは彼らのゴルファーとしてのスキルやパワーの差だけが問題なのか――。
松山の元キャディ進藤氏「逆も然り」
そんな問いにヒントをくれたのが、昨年まで6年にわたって松山とタッグを組んだ進藤大典キャディである。
松山の前にも多くのトッププロにバッグを任され、日米のコースを歩き尽くした。
彼は堀川、今平の感じた“5打の差“にうなずきながらも「日本人がアメリカのコースでやるとそうなるでしょうけど、逆も然り、だと思います」と言った。