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渡邊雄太の元チームメイトで親友、
楠元龍水が挑む延岡学園の再建。
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph byYasushi Kobayashi
posted2019/05/03 08:00
尽誠学園高等学校時代に渡邊雄太とチームメイトだった楠元龍水(右)。彼の延岡学園での挑戦を渡邊雄太も「応援したい」と話す。
「もう1回、応援してもらえるチームに」
就任から約2カ月が経過した10月21日、延岡学園高は宮崎県予選を勝ち抜きウィンターカップの出場権を獲得。1回戦が行われた12月23日、チームが武蔵野の森総合スポーツプラザに姿を現した時、スポーツウェアを着ているコーチが大半を占める中、楠元はNBAやNCAAのコーチと同じようにスーツを着ていた。
これは、“謙虚でありなさい”“初心を忘れない”という色摩コーチから学んだことを楠元なりに実践したのである。
「以前は審判への態度もよくなかった。印象の悪いチームを少しでも変わったと思ってもらえるようにしないと……。日本一は目指す。だだ強くなるだけでは誰からも評価されない。もう1回、応援してもらえるようなチームになる第一歩にしないといけない」
バスケットボールを通じて人間として大きく成長した自身の経験を踏まえた指導と、「主役は彼らであって、あくまでも僕らは付録」という考えを軸に、楠元は新しい延岡学園を構築しようと奮闘中。NBA選手として一貫して試合に出られることを目指している渡邊とはステージが違うにせよ、目標に向かってハードワークの日々を過ごしていることは明白。2人で会話するときに出る決まり文句は、今後もお互いを刺激し続けるに違いない……。
「ここで腐ったらダメだよね。お互いに頑張ろう!」