才色健美な挑戦者たちBACK NUMBER
バレーボールの新エース・黒後愛が語る
「私はまだまだ実力不足です」
text by
林田順子Junko Hayashida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2019/05/08 11:00
次に繋いでいくことが大切で、面白い。
色々なチームスポーツがありますが、バレーボールは次に繋いでいくことが大切なスポーツです。仲間がボールを受けやすいようになど、常に誰かのことを思ってプレーする必要がありますし、精神面もすごく大事になります。そうやって繋いでいくこと、それがバレーボールの面白さだと思うんです。実際、長くラリーが続くとすごく盛り上がるし、私でも見ていて楽しいと思いますから。
そうやってみんなが繋いでくれた1本を打つというのは、アタッカーとしてすごく責任を感じますし、まだまだ実力不足だと思うところがあります。そのなかで自分の強みを挙げるとしたら、負けず嫌いなところです。幼稚園の時はジャンケンや運動会の徒競走で負けるだけで泣いていましたから。今ではさすがに泣くことはないですけど、勝ち負けの関係ない練習前のウォーミングアップでも、負けたくない(笑)。結構負けちゃうこともあるんですけど、そうすると練習に入る前からちょっとイライラしちゃって。試合に負けた時なんてめちゃくちゃです。人がいっぱいいるし、後輩もいるので、その場では感情をあまり見せませんけど、自分の部屋に戻ってからは大変ですね(笑)。
今年の目標は、まずは5月からのネーションズリーグ、そしてW杯に出場すること。そして、もちろんその先には東京オリンピックがあります。あと1年と限られた時間の中で、今自分にできることを探しながら、ひとつひとつ成長していけたらと思っています。
黒後 愛Ai Kurogo
1998年6月14日、栃木県生まれ。小学3年の時にバレーボールを始め、高校は東京の名門・下北沢成徳に進学。2年・3年時に春高バレーを2連覇。卒業後はVリーグの東レ・アローズに入団、1年目から攻守の中心として活躍して最優秀新人賞を受賞。全日本には2017年からメンバー入り。2018年にネーションズリーグで代表デビューし、世界選手権にも出場した。180cm。
新しいナビゲーターに俳優の田辺誠一さんを迎え、番組デザインもリニューアル。アスリートの「美学」を10の質問で紐解き、そこから浮かび上がる“人生のヒント”と皆さんの「あした」をつなぎます。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。
第54回:黒後愛(バレーボール)
5月10日(金) 22:00~22:24
日本女子バレーボール界の未来を担うエース候補、黒後愛選手。昨年代表デビューを果たし、世界選手権ではチーム2位の得点を叩き出しました。彼女が語るバレーボールの魅力とは? そして、オフの日に好きな街で友人と楽しく過ごす20歳の女子の素顔にも迫ります。
第55回:田中雅美(水泳)
5月17日(金) 22:00~22:24
元競泳選手の田中雅美さんは3大会連続で五輪に出場し、'00年シドニー大会の400mメドレーリレーで銅メダルを獲得。'05年に現役を引退後、結婚・出産を経て現在は1児の母。育児と仕事を両立する上での心がけやリラックス方法などを、着付け教室でのオフショットも交えてお聞きします。