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米ツアー3勝のゴルファーが口にした
「もっと稼ぎたい」という言葉の真意。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2019/04/05 07:00
世界ゴルフ選手権シリーズを初制覇したケビン・キスナー。小さな町のヒーローはオーガスタの舞台でどんなゴルフを見せるか。
チャリティ・コンサートを開催。
'17年に米ツアー2勝目を挙げた直後、キスナーは愛妻とともに「ケビン&ブリタニー・キスナー財団」を創設した。
その財団が主催する形でチャリティ・コンサートを企画。知り合いのミュージシャンやバンドに声をかけて出演してもらい、想像以上の観客が訪れて、いきなり18万ドル(=約2000万円)のチャリティ収益が得られたそうだ。
「よし、もっとアグレッシブに進もう!」
自信を膨らませたキスナーは、2度目のチャリティ・コンサートを'18年の秋に拡大バージョンで企画。初回以上に多数のミュージシャンに出演を依頼し、快諾してもらった。ジャスティン・トーマスやザック・ジョンソン、スチュワート・シンクといった米ツアーの選手仲間たちも快く参加してくれた。
大きく膨らむキスナーの想い。
そうやってキスナーの想いも活動も、年々、強く大きく膨らんでいる。
「子供たちを責任感の強い大人に育てるための手助けがしたい」
そのためには、単にお金や衣食住をサポートするだけではなく、地元のスポーツジム、病院、学校などと連携しつつ、教育から健康管理・維持にいたるまで、多角的に子供たちを支えていきたいとキスナーは言う。
「ゴルフのみならず、スポーツに参加する機会をたくさん作ってあげたい」
地域の子供たちを育てていくことで、故郷のコミュニティそのものがどう変化していくか。「それが、楽しみなんです」とキスナー夫妻は頷き合う。
すでにキスナー財団は地元の病院へ「ミルクを供給するプロジェクト」費用として1万ドルを寄付し、子供たちが集まる施設へ「送迎バス購入費」として2万ドルを寄付した。わずか2年で10団体以上をサポートし、大勢の子供たちを少しでも前進させることができている。
さらに推し進めていくためには軍資金が要る。元手が必要。だから彼は「もっと稼ぎたい」と意欲を燃やしている。
そう、「マネーがモチベーション」の行間には、隠れている言葉があったのだ。正しくは「マネーをもっと稼いで故郷の子供たちをサポートすることが僕のモチベーション」だろう。