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アーモンドアイ、絶好調でドバイへ。
名騎手ルメールも鼻息荒く。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/03/22 11:40
アーモンドアイを管理する国枝調教師(右)と根岸調教助手。
「僕がミスをしない限り、負けない」
ここまでの戦績は7戦して6勝。1400mの新馬戦で2着に敗れたものの、以降、6連勝。重賞は5連勝だし、GIだけでも4連勝中。それでもまだ成長しているとなると、当事者達も負ける気がしないのではないかと問うと、ルメール騎手はニコリと笑った後、口を開いた。
「競馬だから何があるか分かりません。彼女の体調の問題もあると思います。でも、調子が良ければ、僕がミスをしない限り、負けないと思います」
アーモンドアイが負けるのは自分がミスを犯した時。その思考は、強いプレッシャーを生むのではと思えるが、それにも微笑を交えて答える。
「勿論プレッシャーがないわけではありません。でも、良いプレッシャーです。普通に走れれば勝てるポテンシャルのある馬だから、良い緊張感を感じています」
ひと足先に現地入りした根岸調教助手。
では、毎日、アーモンドアイと向き合っている根岸調教助手の心中はいかばかりか……。
先述した追い切りの更に1日前、3月12日の午後に厩舎を訪ねると、アーモンドアイの背中にマイクロレーダーを充てる彼の姿があった。
「少し背中が張る面のある馬なので、毎日、夕方に20分は充てるようにしています」
そう語る表情は穏やかだが、プレッシャーについて聞くと、苦笑を浮かべて答えた。
「良い緊張感はありますね。昨日も夜中の1時に目が覚めて、結局、朝まで眠れませんでした」
初のドバイ遠征に向け、やり忘れていることはないか? 準備に落ち度はないか? などと考えていると、目が冴えてしまい、気付いたら朝。厩舎へ行かなくてはいけない時間になっていたと言う。
そんな根岸調教助手は、アーモンドアイが現地に向かうより1日早い19日に、かの地へ発った。ひと足早く行き、愛馬を迎えるためだ。
ルメール騎手は「自分のミスだけ」と心配事を語ったが、立場が違えば心配事も変わってくる。根岸調教助手にとっての心配事、不安点は何なのかを問うと、次のように語った。