才色健美な挑戦者たちBACK NUMBER
選手から監督へ。
プロ野球・松井稼頭央の新たなる挑戦。
text by
林田順子Junko Hayashida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2019/03/13 13:30
「プライドって人によって違う」
プライドって人によって違うと思うんです。僕は野球が好きだから、ポジションは関係なくて、ユニフォームを着ていることが一番大切なプライドであり、モチベーションなんです。
そもそも僕は、すべてが挑戦だと思っていたいタイプ。レギュラーから外れたときに、次にどうやっていくのかというのも挑戦じゃないですか。これが「レギュラーじゃないのか! うわ~控えかよ」って思うのとは変わってきますよね。控えには控えの、代走には代走の難しさがあるし、そこで学ぶこともたくさんある。自分自身が挑戦だと思えばモチベーションも変わってくるし、取り組み方も変わってきます。だから、僕はどんないいことも、悪いことも、すべて挑戦なのだと思っていたいんですよね。
そのために自分は真っ白の状態でありたい。43歳になりましたけど、まだまだ勉強すること、経験することもたくさんあるなかで、色々な色を受けられる自分でいたい。もちろん監督としては1本、筋を持っていないといけない部分はあります。でもあまり監督像を詰めてしまうと、自分だけの視野しかなくなってしまう。今まではそれでもよかったけれど、これからはコーチやスタッフ、選手たちを観察し、アドバイスももらいながら、どれだけこの視野を広げられるかを考えないといけない。監督への挑戦は始まったばかりです。
松井 稼頭央Kazuo Matsui
1975年10月23日、大阪府生まれ。PL学園高では1年生から投手として活躍し、甲子園は2年時のセンバツに出場。1993年ドラフト3位で西武ライオンズに入団。入団後に強肩・俊足が評価されて内野手に転向して、スイッチヒッターとなる。3年目に遊撃手のレギュラーに定着し、1997年から3年連続で盗塁王に輝く。2002年にはスイッチヒッターとしては史上初となるトリプルスリー(3割・30本・30盗塁)を記録。2003年オフにニューヨーク・メッツへFA移籍。2007年にはコロラド・ロッキーズでワールドシリーズに出場した。2009年に日米通算2000本安打を達成。2010年12月に東北楽天ゴールデンイーグルスに入団し、2013年にはチーム創立後初の日本一に貢献。2018年に古巣である埼玉西武ライオンズで引退を表明。25年間のプロ選手生活に終止符を打った。2018年オフ、埼玉西武ライオンズの二軍監督に就任した。
毎回1名のゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある「美しさ」をあぶり出すBS朝日の番組。ビジュアルだけではなく、精神的、健康的など様々な角度から“肉体に宿る美”を探ります。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。
MC:浅尾美和
第46回:松井稼頭央(野球)
3月15日(金) 22:00~22:24
走・攻・守、全てが一流だった元プロ野球選手の松井稼頭央さん。日本人内野手として初めてのメジャーリーガーにもなりました。昨年、43歳で現役を引退。今シーズンから埼玉西武ライオンズの2軍監督として選手の指導にあたります。松井さんの新しいシーズンが開幕します。
第47回:加藤優(野球)
3月22日(金) 22:00~22:24
女子プロ野球の加藤優選手は、今年4年目のシーズンを迎える23歳。打って守れる外野手として活躍する一方、キュートなルックスや歌手活動でも話題を集めています。彼女が野球選手の道を選んだ理由、そしてその魅力を教えてもらいました。