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<フランス戦の収穫>ラグビー日本代表「遠征で深めた想像力の共有」 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byTomoki Momozono

posted2017/12/15 07:00

<フランス戦の収穫>ラグビー日本代表「遠征で深めた想像力の共有」<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

フランス戦最初のトライシーン。HO堀江が軽やかに宙を舞った。

過去9戦全敗の北半球の雄を、あと一歩のところまで追い詰めた。
今年最後のテストマッチをドローで終えたジェイミー・ジャパン。
約1カ月に及ぶ強化期間を経て、掴み取った成長の足跡をたどる。

 パリ郊外ナンテール市。新凱旋門が聳える新興エリアに新設されたUアリーナ。2017年11月25日。新スタジアムで初めて行われたラグビーの試合が、日本代表を迎えてのテストマッチだった。

「日本は最近強いらしいぞ」

「フランスは調子悪いからな」

「だけど、さすがに勝つだろ」

 地元ファンの心中は、大方そんなところだったろう。2万3000人を飲み込んだスタジアムには、強敵を迎えたときの切迫感も、逆に相手を見下す感もなかった。W杯で準優勝3度を数える北半球の雄フランスにとって、近頃力をつけてきたとはいえ、日本など眼中になかったはずだ。


 フランスは前週の南アフリカ戦から先発8人を変更していた。初キャップが2人、1桁キャップが4人という若い布陣。前日会見で「フランスは日本をリスペクトしていないのでは?」と現地記者に聞かれた日本代表のジェイミー・ジョセフHCは「スコッド全体に信頼を置いている証だと思う」と、フランスがメンバーを落としたという見方を否定した。先発15人の総キャップ数はフランスが326。対する日本は352。39-6で完勝した前週のトンガ戦から唯一の変更は、先発SHを田中史朗から流大に入れ替えたことだった。

「開始からアタックのスピードを上げて行くための先発起用だと言われています」

 前日会見で流は言った。そして迎えたテストマッチ本番。日本はイメージ通りの高速アタックでフランスを振り回した。

 試合開始のキックオフで、いきなりリーチマイケル主将のタックルが炸裂する。スクラム王国にスクラムでプレッシャーをかけ、ペナルティを誘い、5分にSO田村優が先制PGを蹴り込む。追いつかれた24分にはFB松島幸太朗のビッグゲインからボールを動かし、HO堀江翔太が左隅に両チーム初トライ。ハーフタイム直前に逆転トライを奪われるが、後半開始の相手キックオフから日本は再びチャレンジ。自陣22m線からNO8アマナキ・レレイ・マフィ、松島、WTBレメキロマノラヴァが次々と突破。9次攻撃でFL姫野和樹がゴール前まで前進し、最後はCTBラファエレティモシーが相手タックルを外してインゴールへ。キックオフから1分半、10フェイズまでボールを動かし続けたスペクタクルなトライに、敵地のファンもどよめいた。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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ジェイミー・ジョセフ

ラグビーの前後のコラム

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