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<代表戦士27人の肖像>
川島永嗣「何度でも甦る」 

text by

岩崎龍一

岩崎龍一Ryuichi Iwasaki

PROFILE

photograph byShinya Tanaka

posted2017/09/15 06:00

<代表戦士27人の肖像>川島永嗣「何度でも甦る」<Number Web> photograph by Shinya Tanaka

 勝ち点を積み重ねる作業を繰り返す最終予選。10試合を戦う長いシリーズのなかには、その後の流れを引き寄せるポイントとなるプレーがあるものだ。

 失点に直接関与するGKのポジション。その視点で振り返ると、思い浮かぶのが3月23日のアウェーUAE戦だろう。結果次第で順位が入れ替わる大一番。そこで見せた、川島永嗣の美技がなによりも印象的だ。

 日本が1点をリードした前半20分だった。UAEは右サイドをマブフートが抜け出し、GKと1対1の決定機を作り出す。このシュートを見事に脚でブロックした。

「しっかり、冷静にコースに入れたので」

 本人がそう語る、ゴールキーピング術。ダイブするのではなく、両腕を広げ、開脚でグラウンダーのシュートコースを消す方法は、いまや欧州では常識となっている。その意味で川島はアジアの選手でありながら、完全に欧州仕様のGKなのだ。


 現在のGKには、足元のボール扱いの技術も要求されるようになってきた。しかし、本来GKに一番必要とされるのは、試合の勝敗を左右するシュートストップの能力。その意味で、日本のなかでは頭一つ抜けた存在だ。それは、岡田武史、ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチと指揮官が代わろうとも、常にゴールマウスに立ち続けている事実が証明している。最もGKの能力を把握しているGKコーチたちが、歴代の監督に起用を進言してきたからだ。

 ただ、その川島にも大きな問題はあった。2015年6月からの約半年間は所属クラブがなかった。'16年8月にフランスのメスと2年契約を交わしたが、立場は第3GK。実戦経験を積む場は、10代の若手に交じったリザーブリーグに限られていた。

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