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無念のポストシーズンも、前田健太が
得た手応え。~出来高契約のほぼ満額
を手にする予想以上の活躍~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2016/11/08 08:00
「今年くらいは(自分を)褒めてもいいんじゃないか。8割方できた」と振り返った前田。
ドジャースがナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)でカブスに敗退し、前田健太のメジャー1年目が終わった。ポストシーズンでは3試合に先発したものの、最長で4イニングしか投げられず、最後まで勝利とは無縁だった。NLCS第5戦では、4回途中1失点ながら降板。消化不良のまま、終戦を迎えた。
「悔しいですね。ここまで来て勝ちきれなかった。僕自身もなかなか苦しいピッチングが続いていたので、悔しい思いはあります」
その一方で、確かな手応えと収穫を感じられるシーズンだった。2月の春季キャンプ以来、メジャー特有の滑るボール、硬いマウンドにも違和感を訴えることなく、スムーズに対応してきた。開幕3戦目で初勝利を挙げたのをはじめ、4月は3連勝と好スタートを切った。その後、連敗した時期こそあったものの、故障者が続出するチームの中で、唯ひとり先発ローテーションを守り抜き、32試合に登板。チームトップの16勝、防御率3.48と、文句なしの成績を残した。