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戦時下で野球の存続を願い、苦闘した人々を描く群像劇。~「敵性競技」が遭遇した、想像を絶する状況~ 

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馬立勝

馬立勝Masaru Madate

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posted2016/09/08 09:00

戦時下で野球の存続を願い、苦闘した人々を描く群像劇。~「敵性競技」が遭遇した、想像を絶する状況~<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『背番号なし 戦闘帽の野球』山室寛之著 ベースボール・マガジン社 2300円+税

 戦時下の野球は、「ストライク・ワン」を「よし1本」などとする奇妙な訳語でやった。選手が手榴弾投げ競争をした。後楽園球場の外野は芋畑になった。そして、沢村栄治の戦死や映画化された石丸進一の特攻……こんな話が浮かんでくる。本書はそんな苦難の時代、職業(プロ)野球誕生の昭和11年(1936)から敗戦の焦土の中で野球が復活した昭和21年(1946)までを語る。プロ野球だけでなく、中等学校(高校)野球、大学野球にも目を配って、“敵性競技”の圧力に抗して「野球を続けよう」と苦闘した人たちの野球史群像劇だ。

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