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100回大会に望む甲子園の「選手ファースト」。~選手を守れないなら、そんな組織はむしろ害悪である~
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2018/08/03 15:00
7月23日、京都大会準々決勝第4試合は異例のナイター開催となった。
日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題をきっかけに、改めてクローズアップされているのが「日本版NCAA」設立の動きだ。スポーツ庁が大学スポーツ改革の柱と位置づけ、7月24日には設立準備委員会の初会合を都内で開催。87大学、23競技団体の計110団体が準備委に名前を連ねた。
日本にはこれまで大学の各競技団体を横断した全国的な組織がなく、「日本版NCAA」の設立はスポーツ教育や研究の充実、地域貢献、地域活性化など大きな公的役割をかかげることになる。と同時にもう一つの重要な柱が、本家米国のNCAAをモデルとした大学スポーツのビジネス化である。大会のスポンサー料や放映権料などの資金により、大学経営のバックアップを図ることも設立に拍車をかける力となっている。