野球クロスロードBACK NUMBER
浅村栄斗はフルスイング+頭脳野球。
山崎武司に似たスラッガーの匂い。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byGenki Taguchi
posted2019/02/14 17:30
ロングティーで快音を響かせる浅村栄斗。4年で30億超とも言われる年俸に見合った働きができるか。
山崎武司と野村監督の出会い。
37歳だった'06年、監督に就任した野村克也に「技術だけでプロで生き抜くのには限界がある。頭を使えばまだまだやれる」と諭され考えを改めた山崎は、この翌年に43本塁打をマーク。タイトルを獲得するなど27年間の現役を全うした。プロ野球歴代18位の通算403本塁打を記録したスラッガーは、しみじみとこんなことを語っていた。
「野村さんに出会って、俺の野球人生は変わった。頭を使わなかったら、あんなに長く楽天でプレーできていない。とっくの昔にユニフォームを脱いでいただろうね」
浅村は、それこそ山崎のような唯一無二のスラッガーとして期待され、楽天に移籍してきた。
それは、彼自身が最も理解していることだ。
「優勝は絶対にしたいですけど、自分としても強烈な成績を残すことしか考えてない」
フルスイングと頭脳。強烈な矛を手にした男は、東北でも豪快な打棒を披露するに違いない。