ブンデス・フットボール紀行BACK NUMBER
長谷部誠に聞くブンデス中断期間。
貴重な休み、原口元気は代表戦へ。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2018/12/29 15:00
ウィンターブレーク中の1月、アジア杯に臨む原口元気。日本代表で活躍し、その勢いをクラブに持ち込みたい。
原口が感じる週2試合の厳しさ。
ただ、2018-2019シーズンは数少ない期間ですが、ブンデスリーガで週2試合が組まれることもあります。今回はウィンターブレイク直前の第15節から第17節までがそうで、中3日、もしくは中2日というインターバルで試合が組まれました。これはなかなか厳しい日程だったようで、ハノーファーの原口元気選手はこんな主観を述べています。
「中3日のゲームはまだ大丈夫。試合翌日にダウントレーニングをして、翌々日に少し身体を追い込んで、試合前日は軽い練習で準備ができる。でも中2日は厳しい。ダウントレーニングをした翌日はもう試合前日だから、フィジカルを整える時間が取れない。
また、ブンデスリーガのプレー強度は想像を絶するものだから、身体への負担が半端ないんです。Jリーグでも週2試合を戦ったことがありますけども、まったく比べ物にならないくらい、こちらの週2試合は厳しい。それが率直な気持ちです」
なるほど。相当なタフゲームなのですね。そして、その影響をもろに浴びてしまったのがドルトムントでした。今季、開幕から無敗を続けていた首位チームがなんと、過密日程のなかでの2試合目で、まさかの敗戦を喫してしまったのです。
勇敢なるドルトムント。
ルシアン・ファブレ監督が新たに就任した今季のドルトムントは、開幕直後の試行錯誤を経て着実に成長してきました。若手、中堅、ベテランが適切に融合したチームはブンデスリーガで早々に首位に立ち、CLでも強豪アトレティコ・マドリー、クラブ・ブルージュ、モナコと真っ向勝負を演じて、早々にグループステージ首位通過を決めました。
ファブレ監督が用いるシステムは4-2-1-3。GKビュルキ、ディフェンスラインは右からピシュチェク、アカンジ、ディアロ、アクラフと並んで、ダブルボランチはビツェルとデラネイ、トップ下にキャプテンのロイス、右ウイングがサンチョ、左がラルセン、そして1トップにアルカセルという主力選手たちが並びます。
フレッシュさ満載の選手構成です。ここに香川真司が加われないのは残念ですが、現在のブンデスリーガでは、もはや敵無しの状況。何より、今のドルトムントは出場する全選手が局面での1対1で挑戦的に勝負を仕掛けていて、その勇敢さが際立ちます。
もちろん、そのベースとなるのはファブレ監督の緻密な戦略なのですが、いわゆるツバイカンプフ(1対1)で絶対に引かない彼らの姿勢は、ドイツサッカーの伝統を正しく受け継いでいるようで好感が持てます。