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メッシもスアレスも認めるビダルは、
仲間のためなら命も差し出せる男。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byUniphoto press

posted2018/12/20 11:30

メッシもスアレスも認めるビダルは、仲間のためなら命も差し出せる男。<Number Web> photograph by Uniphoto press

旺盛な闘争心とハードワーク。バルサのスタイルから考えると異端のビダルだが、彼のような存在が多様性を生む。

抜群の万能性を持つビダル。

 ビダルの戦術的能力については、'14年に出版された伝記『Vidal, su historia』(ビダル、彼の物語)に面白い記述がある。

 ビダルは13歳のとき地元の小クラブから格上のデポルテス・メリピージャに移ったが、あまりにひどいチームだったため、自陣ゴール前まで下がってボールを受け、そのまま攻撃に加わることを覚えたという。

 また、次に移ったコロコロの育成部門ではサイドバックから始めてあらゆるポジションを務めたので、「あの万能性を身につけることができたのでは」と、当時の監督が語っている。

 ともあれ、口をつぐんで汗だけを流すようになったビダルは、一連の不満アピールを聞き流していたバルベルデに起用され続けて、ラキティッチが出場停止となった第13節のA・マドリー戦で、第7節以来となる先発のチャンスを与えられた。

 それがターニングポイントとなった。

カンプノウでも認められて。

 バルサのプレースタイルに対する理解度を深め、スアレスが予見した献身性でチームに貢献するビダルは、自分が模索していた「総合的な攻撃力を維持したまま、失点を抑える効果を高める中盤」にぴったり当てはまることに、バルベルデが気づいたのである。

 続く第14節のビジャレアル戦で、ビダルはカンプノウの観客にも認められた。

 70分に交替を指示された際、同じような態度で失望を表すと、同調したスタンドではバルベルデに向けた非難の指笛が鳴り響いた。

 第15節のエスパニョール戦からは、メッシとの意思疎通が際立つようになった。守備時のカバーはもちろんのこと、敵陣内でのパス交換や、互いのためにスペースを作る動きが日を追うごとに滑らかになっているのだ。

【次ページ】 中盤の争いが激化する。

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