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カープ大瀬良大地「残像を残せた」。
柳田悠岐の第4打席に、その効力が。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2018/10/28 12:00
5回2失点の結果以上に好内容の投球だった大瀬良大地。次回の先発でも期待がかかる。
エースとしてまずは合格点。
「初回を0点に抑えることができて、その裏に味方が点をとってくれて、チームにとってもいい入りができたと思います」
初体験のシリーズ開幕先発を終えて大瀬良はこう振り返った。
5回を投げて3安打2失点。5回は中村晃外野手と内川聖一内野手の連打に、代打のアルフレド・デスパイネ外野手の内野安打と味方のエラーも絡んで2失点はした。ただ、内容的には4回2死まで11人連続でアウトを取るなど、プレッシャーの大きい初戦先発としてはほぼ完璧なピッチングを見せた。
「全体的に悪くなかったし、色々なボールを使って抑えることができた」
そして何より広島投手陣にとって、このシリーズでの大きなテーマであるはずの“ギータ封じ”も、最初の2打席をきっちり抑え込んだことで、エースの仕事としてはまずは合格点であるはずだ。
緒方監督も大瀬良を讃えた。
「(大瀬良)大地も初戦でプレッシャーがかかる中、いいピッチングをした。こちらのペースで試合ができた」
試合後の緒方孝市監督もこうエースの投球を讃えている。
32年ぶりの初戦引き分け。
32年前の1986年のシリーズは奇しくも広島と、当時は現役としてソフトバンクの工藤公康監督が所属していた西武との対戦だった。このときは初戦引き分け後に広島が3連勝したが、途中から抑えに回った工藤監督のサヨナラ安打などで西武が4連勝して逆転日本一に登り詰めている。
いずれにしても、もつれることが予想される引き分けでのシリーズの幕開けだ。
当然、大瀬良には次があるはずだ。
「今日の内容を生かして次も頑張ります」
今度の柳田との対戦でも、どう残像を生かして打ち取れるかである。