話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
札幌が強い! 自信深まる攻撃陣。
「ACLは自分たちの手の中にある」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/09/04 07:00
ペトロヴィッチ監督のもとで才能を開花させている札幌の選手たち。今の順位はもはやサプライズではない。
練習している中央突破の実戦投入は?
これからは、1試合の勝敗が最終順位に大きく影響してくる。相手チームはこれまで以上に札幌のストロングポイントを研究し、徹底的に長所を潰してくるだろう。逆にいえば、そうなった時にいかに点を取るのかが、札幌がトップ3に入り、ACLの出場権を取れるかどうかのポイントになる。
神戸戦は両サイドからのクロスが効果的だったが、中央突破など前線の選手で崩すパターンはほとんど見られなかった。チャナティップがいるので、もう少し地上戦で打開できるはずなのだが、そこに絡む選手も少ない。
練習では前線の選手でパスをつないで崩すパターンをいくつも試し、実際にかなり機能しているのだが、試合になるとクロスで点が取れるので、地上戦での崩しは陰をひそめがちである。
「クロス、中央突破のどちらかに偏るのはよくないし、うちの場合、無理に押しこんでカウンターを喰らうのが一番のリスクになる。今シーズンはサイドから優位に展開できているので、まずはサイドで押し込んで中が薄くなったところをうまく使えればいいかなと思います」
都倉も地上戦にはやや慎重だ。
6本のパスがつながった美しいゴールも。
しかし、実は都倉は崩しからのパターンですでにゴールを決めて可能性を示している。
前節(8月25日)の清水戦だ。
後半29分に都倉が決めた決勝弾は、左サイドのDF福森晃斗からのパスを小野伸二-駒井-ジェイ-小野-都倉とすべてワンタッチでつながってのゴールだった。流れるようなパスで生まれた美しいゴールは、大きな自信になっただろうし、これからの札幌の攻撃の可能性を広げるものだ。
この攻撃の精度をチャナティップらが中心になって磨いていけば、札幌の攻撃はさらに止められなくなる。地上戦と空中戦をバランスよく使うことがACL出場権獲得のためのひとつのポイントになるだろう。