話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
札幌が強い! 自信深まる攻撃陣。
「ACLは自分たちの手の中にある」
posted2018/09/04 07:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE
コンサドーレ札幌が3万2千人を越えるファンに“強さ”を見せつけた。
1日、ACL出場権を争う目下の敵・ヴィッセル神戸を3-1で破り、これでリーグ戦は5試合負けなしの3連勝。1試合消化が少ないながら3位のFC東京に勝ち点1差に迫り、クラブ史上初のトップ3、ACL出場権獲得を完全に視界に捉えた。
ここに来て札幌は、相手の長所を消しながら元々の攻撃の形を見せつつ、違うパターンも繰り出して相手を混乱させるなど、また一段と手ごわいチームになりつつある。
神戸戦でもその一端を見せた。
神戸のスタイルはパスサッカーで、その中軸はアンカーの藤田直之、インサイドハーフの三田啓貴、イニエスタの3人だ。そのために藤田を駒井善成がマークし、三田とイニエスタは宮澤裕樹と深井一希が見て、彼らを自由にさせなかった。
守備がハマれば、攻撃がより活きてくる。
左ウイングバックの菅大輝と右ウイングバックの早坂良太が組む両サイドはいつも以上に高い位置をキープし、彼らに駒井やチャナティップ、宮澤、深井が絡んで数的優位を作ってサイドを制圧、クロスを入れてチャンスを作った。
対応が難しい2種類のクロス。
このクロスも、ジェイと都倉賢のツインタワーがいる時はアーリークロスが多いのだが、神戸戦では相手サイド裏に蹴られたボールに菅や早坂が反応し、深いエリアに侵入してからのクロスが多く見られた。
先制点は早坂が右サイドの深部でボールを受け、マイナスに折り返したボールを駒井が受けてファーサイドへ、そこに逆サイドから飛び込んだ菅のヘッドから生まれている。
「こういう場面が増えてくればもっと得点のチャンスが増えてくると思います」
神戸戦の2点目を決め、4試合連続ゴールと好調を維持する都倉はそう話す。
アーリークロスとサイドをえぐった深部からのクロスを執拗に入れられるのは、相手にとってはかなりやっかいだ。すべてを正確に跳ね返すのが非常に難しいからだ。神戸も結局、この2パターンのクロスから2失点している。
「あきらめずに何度も入れ続ければ必ず点が取れる」
クロスをゴールにしっかりと結び付けていることで、都倉をはじめ札幌の選手たちは自分たちのストロングポイントに相当な自信を持っている。