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チェルシー復権に挑む新監督サッリ。
アザール残留なら双方に「喜び」? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2018/08/05 11:30

チェルシー復権に挑む新監督サッリ。アザール残留なら双方に「喜び」?<Number Web> photograph by Getty Images

セリエA屈指の名将という評価を得て、チェルシーに請われたサッリ新監督。アザールらの去就は懸念だがどんな陣容で臨むだろうか。

クルトワが抜けてもピックフォードを。

 セスク・ファブレガスの競争相手は、今年1月に加入した24歳のロス・バークリーになるだろうが、ユース上がりのルーベン・ロフタス・チークという持ち駒もある。手元の選手を育成していくタイプのヘッドコーチなら、昨季はレンタル先のクリスタル・パレスで主力となった22歳にチャンスを与えるだろう。

 現状のアカデミーが売却益を生む「ビジネス組織」と批判される状況を変えられるのなら、ファンも本望。また17歳のカラム・ハドソン・オドイは3戦連続先発出場を果たし、アーセナル戦ではエクトル・ベジェリンを翻弄。指揮官も「一軍帯同継続」を公言するなど、育成面でも期待が持てるようになってきた。

 オドイが起用された3トップの左サイドは、本来まらアザールのポジションだ。CLのないシーズンを前にレアル・マドリー移籍の噂が絶えないが、今夏からプレミアの移籍市場が8月9日に閉まる。その状況下で同じくレアル行きの噂があるティボウ・クルトワとの二者択一を迫られれば、クラブはアザールの引き止めを選ぶと思われる。

 もしクルトワを失えば大きな痛手だが、代役として噂のジョーダン・ピックフォードをエバートンから引き抜ければ心配ない。ビルドアップの起点にもなれる24歳は、ロシアW杯での活躍で一躍「時の人」となっている。欧州屈指の守護神を失ったとしても、ムードが一気に低下する事態は避けられるだろう。

アザールとサッリは相性がいい?

 アザールはクルトワ以上に替えが利かない。加えてサッリは、共感できる指導者との出会いとなる可能性もあるのだ。チェルシーが誇るスターは、ワールドクラスの評価を受けるようになっても、こう言い続けているのだから。

「子供の頃に兄弟でボールを蹴っていた当時の感覚を持ち続けている」

 アザールは、サッカーをする「喜び」も大切にする新監督から、動きの自由を許される前線左サイドを任されつつ、動きの自由を許されるだろう。流動的にポジションを入れ替えながらの連係は問題ない。

 中央の1枠を争うアルバロ・モラタとオリビエ・ジルーも、ウィリアン放出なら右サイドのレギュラーとなるペドロも、単独突破よりもコンビネーションを得意としている。ジョルジーニョの操縦で中盤寄り後方からも味方が加勢する環境は、アザールもより楽しめるに違いない。

【次ページ】 ただし評価基準は結果のみ。

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