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八村&ファジーカス加入で劇的変化。
歴史的勝利が導くバスケ代表の未来。
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![宮地陽子](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byKiichi Matsumoto
posted2018/07/09 11:00
![八村&ファジーカス加入で劇的変化。歴史的勝利が導くバスケ代表の未来。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/1/8/700/img_18a1428e1cff98aa81002dcdcf84634e243541.jpg)
世界ランキング10位(アジア1位)の豪州戦。序盤から強気の攻めを見せて日本代表チーム全体にスイッチを入れた八村塁。
八村の目に写った、自信が無いチームメイト達。
八村は、この試合で試合開始から意識して強気の攻めをした。
自分が出られなかった1次予選の最初の4試合、特にオーストラリアとの試合を見て、日本の選手たちに攻め気が感じられず、自信なさそうにプレーしているのが目につき、自分がやらなくてはと思ったのだという。12年前の竹内ができなかったことを、ひょいとやってのけたのだ。
試合後、八村はこう言い切った。
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「僕が最初に(強気に)行って、チームメイトに自信を与えられたらいいなと思ってやりました」
20歳という若さながら、アメリカの強豪校・ゴンザガ大での2年間で大きく成長した八村は、昨季はオーストラリアから来ているライバル校のエース相手に活躍し、むしろ圧倒していたほどだった。それだけに、オーストラリア人選手は特に組みにくい相手というイメージはなかった。'14年のU17世界選手権でもオーストラリアと対戦しているが、試合にこそ敗れたものの、オーバータイムにまでもつれる激戦を戦っている。むしろ、今回はそのリベンジを果たしたいという志を持っていた。
八村とはまた異なる強さを持つファジーカス。
33歳のファジーカスは八村のような若い野心とは別の、経験から来るメンタルの強さを持っている。
偶然の要素で試合が決まることが少ないバスケットボールという競技だが、1試合だけなら実力で上回るチーム相手に勝つことはある。
ファジーカス自身、ネバダ大時代にNCAAトーナメントで上位シードのチームに勝ったこともあった('04年には、当時第10シードのネバダ大を率いて、第2シードだったゴンザガ大にも勝っている)。練習の時から、オーストラリア相手でも、自分たちには勝つチャンスがあると、チームメイトたちを励ましていた。
「ルイと僕は、失うものは何もないという気持ちでやってきたんだ。僕らが入った時点でチームはすでに0勝4敗だった。ルイと僕はそんなチームの流れや、以前から続いていたカルチャーを変えるために加わった」と、そのメンタリティを説明した。