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プロクライマー・大場美和が古典文学から描いた理想の自分像。 

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

PROFILE

photograph byKiichi Matsumoto

posted2018/06/20 16:00

プロクライマー・大場美和が古典文学から描いた理想の自分像。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

誰かが見てないところでも美しく。

 憧れの女性像は、かわいさだけではなく、ちょっとキリっとしたところのある感じ。そんな女性になりたいと思って、そういうふうに装った時もあったんです。でも、無理でした(笑)。

 実は高校生の頃から日本語に興味があって、特に古典が好きなんです。なかでも伊勢物語の『筒井筒』がお気に入り。この『筒井筒』の内容は恋物語ですが、平安時代は一夫多妻制で、男性が別の女性のところへ行っても女性は文句ひとつ言わずに待っていて、男性がいなくなると少しさみしさを見せるのですが、男性の前では気遣ってなにも言わないんです。そういう女性の姿は日本人特有の美的感覚でもあるような気がします。目に見えないところでも頑張るというか、相手への気遣い方の美しさに感銘を受けました。

 クライミングは個人競技なので、想像以上に何でも一人でやらなければいけないことが多いです。例えば、練習内容を決めるのもそう。自分が「これくらいでいいや」と思って辞めても、誰も怒ることはありません。私は基本的にすごく面倒くさがりなので、一度、「もういいかな」と思ってしまうと辞めてしまうタイプ。だからこそ、誰かが見てないところでも美しくある、頑張るというような、日本古典の美学や姿勢を見習いたいと思っています。

「やってみたい」と思ったら、すぐにできるのがクライミングの良いところです。休みの日に家族みんなで楽しんだり、運動不足解消のために始めたり、本当に誰でも楽しめるスポーツなんです。だからこそ、より多くの人にとって身近なものになって欲しいですし、私もスポーツクライミングの楽しさも伝えられたらいいなと思っています。

大場美和

大場 美和Miwa Oba

1998年3月7日、愛知県生まれ。9歳からクライミングを始め、ユース年代で日本およびアジアでの輝かしい成績を残し、今後の活躍が期待されるアスリートに成長。器械体操で培った柔軟性とバランス感覚、手足のリーチの長さが武器。「ランジ」というジャンプしてホールドを飛び移るダイナミックな動きを得意としている。

毎回1名のゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある「美しさ」をあぶり出すBS朝日の番組。ビジュアルだけではなく、精神的、健康的など様々な角度から“肉体に宿る美”を探ります。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。

MC:浅尾美和

第8回:大場美和(スポーツクライミング)

6月22日(金) 22:00~22:24

17歳の時にスポーツクライミングワールドカップ日本代表に選ばれ、一躍注目を集めた大場美和選手。大学進学を機に拠点を横浜に移し、日々トレーニングに励んでいる。古着を買うことが息抜きになるという20歳のプロクライマーのオフにも密着。彼女が常に“和の心”を大切にする理由とは?

第9回:マンスリースペシャル

6月29日(金) 22:00~22:24

第5回から第8回までに登場した「美尻」トレーナー・岡部友さん、ハンドボール・宮﨑大輔選手、元マラソン選手・有森裕子さん、スポーツクライミング・大場美和選手。第9回は未公開シーンを含む4人の総集編をお届けします。

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