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菊池雄星、エースという立場の苦悩。
勇気ある登録抹消から遂に一軍復帰。 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byKyodo News

posted2018/06/01 07:00

菊池雄星、エースという立場の苦悩。勇気ある登録抹消から遂に一軍復帰。<Number Web> photograph by Kyodo News

西武ファンだけでなく、アメリカからも熱い視線が注がれている菊池雄星。万全での復帰を期待したい。

秋山らは「お前が帰ってくるまで首位に」。

「中6日のローテを守ってシーズンを投げ切ろうと思えばできないわけでもなかったと思います。もちろん、大きなケガをしていた可能性もありますけど。でもそんな状態で走り切るより、シーズンの大事な終盤に中4日、5日で投げたい。フル回転でチームに貢献するためには、一度、抹消してもらった方がいいと思って決断しました」

 菊池は勝利にこだわってきた選手だ。「日本一になりたい」という想いを持ちながら努力を続けてきた。エースという重責を担うようになってチームの浮沈を握る存在になったのに、シーズン終盤に貢献できないのは本望ではなかった。

 登録抹消を申し出ると、辻監督からは「よく決断した」と声を掛けられた。エースとしていろんな思いがあったが、その言葉に救われた。

 さらに、ファーム行きをチームメイトに伝えると、秋山翔吾ら主力選手から「お前が帰ってくるまで首位にいられるように頑張るから」と背中を叩かれた。

「もう1回、開幕するつもりで」

「僕は今年でプロ9年目になりますけど、これまでで一番チームが1つになっていると感じています。だから、その雰囲気の中で11月を迎えたいという気持ちは強いです。その中心にいたい。

 復帰をすれば、完投することはもちろんですけど、しっかりピッチングをまとめられるようにしていきたい。シーズン終盤に中4、5日で回るためにこの期間をもらったので、最後まで走りぬきます。もう1回、開幕するつもりで頑張ります」

 シーズン中にエースが離脱することの影響は大きい。しかしこれをシーズン終盤のいい結果に繋げられれば、また違う見方をになるはずだ。

 2度目の開幕――。

 ハードルは上がった。だが、その分、菊池がまたひとつエースとしての階段を上るいい機会になる。

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