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ウッズが浮かべた笑み、松山英樹は?
マスターズ初日1オーバーを自己分析。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2018/04/06 14:40
松山英樹のマスターズ初日は苦しい立ち上がりだった。しかしこの場に立ち、戦っていることの手応えはあるはずだ。
最後の最後にバーディーが来た松山。
そして、松山英樹だ。
フィノーほど直前ではなかったものの、2月のフェニックス・オープンで左手親指の付け根付近に激痛を感じ、それから1カ月半、試合から離れざるを得なかった。それでも3月、試合に復帰した際には久しぶりにゴルフができたこと、4日間を戦えたことに喜びの笑顔を見せていた。
マスターズ直前に出ることができたのは、わずか2試合。「球数はあんまり打てないですけど」と練習量は抑えており、万全の準備ができないまま、オーガスタ入りしたことは事実だ。
それでも「もっとできたと思うところはあるけど仕方ない」と、不満の残る状態をどうにか受け入れ、初日へと臨んだ。4つのパー5でチャンスをモノにすることは1度もできず、バーディーパットもなかなか入らなかった。
14番では堂々とフェアウエイを捉えながら2打目でグリーンの左奥へ突っ込み、ダブルボギー。それでも18番で3メートルを沈め、最後の最後にバーディーが来た。
「ティショットは良かったけど」
ホールアウト後の松山に笑顔は皆無で、険しい表情を浮かべていた。
だが、「最悪です」と吐き捨てた開幕前と比べれば、ポジティブな要素はいくつかある。
たった1つだとしても、バーディーパットを沈めたことは、ゼロで終わるよりずっといい。
「ティショットは良かったけど、それ以外は全然ダメだった」と話したが、「全部ダメ」より格段にいい。
松山はアイアンショットの精度について、理想とするレベルの「半分以下です」と自己分析したが、半分以下ということは、ゼロではなく、ほんの少しでもない状態はあるということだ。