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ウッズが浮かべた笑み、松山英樹は?
マスターズ初日1オーバーを自己分析。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2018/04/06 14:40
松山英樹のマスターズ初日は苦しい立ち上がりだった。しかしこの場に立ち、戦っていることの手応えはあるはずだ。
ホールインワン直後に左足首を捻り号泣。
前日のパー3コンテストで左足首を捻ったフィノーは、ホールインワンに大喜びしたのも束の間、一転して「明日からプレーできるだろうか?」という不安に襲われた。
「ホールインワンの祝福をストレッチャーの上で受けることになってしまうかと。あのとき僕は、とても恥ずかしかった」
そのまま宿舎へと引き上げ、翌朝、近くの病院でMRI検査を受けた。
「左足は腫れ上がっていたけど、骨などにシリアスなダメージはない、プレーできるとドクターに言われ、僕は本当にうれしくて、前の晩から眠れないまま抱えてきていた複雑な想いが一気に込み上げて……」
フィノーは病院で号泣したのだそうだ。
初出場の勢いのまま「週末まで」。
マスターズは今回が初出場。サモアとトンガのハーフとして生まれたフィノーは、7人きょうだいの“生存競争”の中で揉まれ、鍛えられながらゴルフを続けてきた。
「もし検査結果が悪くて今年の出場がダメになったとしても、来年、再来年、またオーガスタに戻って来る自信はある。でも、やっとのことで掴み取った僕のマスターズが、また来年、再来年へと先送りになるとしたら、その事実を飲み込むのは、あまりにも辛い」
だからこそ、初日の1番ティに立ち、無事にティオフできたときは「感無量だった。その喜びが初出場の緊張やプレッシャーを覆い隠してくれた」のだという。
リーダーボードを駆け上るフィノーに大勢のギャラリーが笑顔で拍手を送り、そんな人々の声援にフェノーも支えられ、68をマークして首位と2打差の2位タイ発進となった。
「この勢いで週末まで突き進みたい」
フィノーの笑顔にも活力がみなぎっていた。
「僕のマスターズが、また来年、再来年へと先送りになるとしたら、その事実を飲み込むのは、あまりにも辛い」と話す言葉が胸に響いた。